2012年03月17日

◆【本】「さようなら、もんじゅ君」

先日の、もんじゅくん好き好き記事()でもご紹介した
「さようなら、もんじゅ君」読了。

さようなら、もんじゅ君---高速増殖炉がかたる原発のホントのおはなし
もんじゅ君 (著), 小林 圭二 (監修)  河出書房新社 (2012/3/6)
【本】「さようなら、もんじゅ君」

いや~。ビックリするくらい読みやすかった!
もんじゅ君が話しかけるような文体で書いてあるので、
一気にするする読んじゃった。
平凡社から出ている「おしえて!もんじゅ君」よりも、こちらのほうが私は読みやすかった。
原子力発電全般に関する知識を得るためには「おしえて…」のほうが良いかも。
「さよなら…」は、とくにもんじゅや高速増殖炉についての歴史と、そこから分かる国のこれまでの原子力に対する取り組み方、などが書かれている。

語り口はやさしいんだけど、内容はすごくしっかりしている。
ポイントが分かりやすい的確な表現だし、
ちゃんとデータや事例を示してくれているし、
高速増殖炉全体の歴史を振り返ることで、分かりやすい。
もんじゅ君直筆のイラストが、可愛くてゆるいんだけど分かりやすいのだ。

最終章の、「2050年もんじゅの夢」にはしんみりホロリときちゃった。
「こんなに怖い。こんなふうになっちゃったら大変だよ!」って悲惨な未来を示すんじゃなくて、
今からでも選びうる、可能性のある、明るい未来を描いてくれているところが、
私の好きな、もんじゅ君の愛の大きさだと思った。
敵対するんじゃなくて、そうじゃない望ましいものを見て行くのって、すごく大事だと思う。
けんかしたいんじゃなくて、幸せになりたいんだもの。
この章を書いてくれたもんじゅ君に、あらためて惚れ直したワシです。

もんじゅ君は「みんなでいっしょうけんめい、いっぱいおはなししたいんだ。」って書いている。
単純にもんじゅは危ないよ~っていうだけの本ではなくて、
原子力発電のことをタブーにしないで、あきらめないで、みんなでどんどん話し合って考えてゆこう
というメッセージの感じられる本だった。
そこをすごく伝えたいんだろうなって、私は思ったよ。

しかし、「教えて…」と「さようなら…」と、カラーの違うこの2冊をかけるもんじゅ君のバランス感覚の良さというか、
偏らない健やかさというか、
そういうものも感じる。

…やっぱり大好きだ…♪(結論はそこかw)




同じカテゴリー(読書感想文)の記事画像
こんなの作った!~久々にはまり道
読書感想文「床下の小人たち」
「みどりのゆび」「ラムラム王」
【本】「人生は一冊のノートにまとめなさい」
【本】「こころと脳の対話」
みるみるは理解できない予感…^^;
同じカテゴリー(読書感想文)の記事
 こんなの作った!~久々にはまり道 (2013-12-09 22:17)
 パウロ・コエーリョ祭り (2013-05-20 22:27)
 田口ランディ2冊 (2013-01-19 02:04)
 読書感想文「床下の小人たち」 (2012-09-22 00:52)
 「みどりのゆび」「ラムラム王」 (2012-08-17 00:16)
 【本】「人生は一冊のノートにまとめなさい」 (2012-03-16 00:31)

Posted by カレイドスコープ みずほ at 22:25│Comments(0)読書感想文
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。