2011年04月05日

◆お金のこと

お金ってすごいなあと思う。

被災地の人に必要としているものを送りたくても、私は缶詰やスニーカーをたくさん持っているわけではない。
そして、必要なものはどんどん変わっていく。今必要なものは、多分缶詰やスニーカーじゃないよね。
必要なものもどんどん多様化していく。
現物で力になろうとするのはすごく大変。
誰にだって同じようにできることじゃない。

でも、お金なら、少しだけど、私にだって出せる。
受け取った人が必要に応じて生かしてくれる。
ガソリンにもなるし、労働する人の日当にもなる。
時間が経っても腐らない。
みんなの「少し」があつまれば、大きくなる。
九州のおばあちゃんのお金も、
東京の社長さんのお金も、
価値は同じだ。

なんて便利なんだろう!
お金を発明した人(?)すごい!!

でも、同時に、お金じゃできないこともたくさんあった。
物が売っていないところで、いくらお金があったって、食べるものやガソリンは手に入らない。
流された家を建て直すにも、もしお金があったとしても、安全な土地や働く人や建材や、必要なものが手に入らない。
お金じゃ、私の気持ちや、誰かの愛情を、生き生きとした形で伝えるのは難しい。

お金って道具なんだな。
必要なものが現物でタイムリーに届けられたら、それが一番いい。
会いたい人に直接会って、手を取って、話しかけられたら、それが一番いい。
必ずしもそれが上手にできないから、
それの代理をしてくれるのがお金なんだ。
代理だから、届けたいもの、愛情とか気持ちとか、完全に届けられるわけじゃない。
どうしても効率は悪い。
でも、花見で日本酒に支払ったお酒が、岩手の人に届くかもしれない。
お金だったら、世の中をめぐる。
直接岩手の人に会えなくたって、めぐりめぐって何かが届く。
効率が悪くても、確かに有効な、届けるための道具なんだ。

震災があって、最近、そんなことを思ってみた。
当たり前といえば、小学生でも分かる当たり前のことなんだけれど、
しみじみと実感する。

お金って、いいな。
お金って、便利だな。

そして、私はたくさんお金がほしいと思う。

体は効かないし、持っているものも少ないし、人脈も知識もなくて、
私が私自身でできることなんて、本当に少ないのだけれど、
お金があれば、やりたいことのいくらかを、お金という形で表現できる。
誰かに届けることができる。

私はインターネットはすごく便利な「道具」だと思っている。
携帯も便利だし、自動車も便利。
電気もガスも水道も便利。

お金(貨幣経済?)という仕組みも、便利。

そして同時に、それは、仕組みでしかなく、道具でしかない、という意味もこめて、
本当に大事なのは道具を使って何をしたいかだということもしみじみ実感して、
道具に使われるのでは本末転倒だと自戒して、

お金っていいものだ、お金がたくさんほしいと思うのだ。



  

Posted by カレイドスコープ みずほ at 22:10Comments(0)